頭の中のふきだまり

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人喰い転移者の異世界復讐譚 ~無能はスキル『捕食』で成り上がる~ 感想

 

スマホゲームに飽きてウマ娘シャニマスもアンインストールしてやることなくなったので、なろう小説を暇つぶしに読もうと探してみつけたのがこの作品でした。読み終わったので感想を書いてみます。100話くらいあってかなりボリューム感はありましたが、サクサク読めました。以下ネタバレありです。

 

クラス単位で異世界転移した主人公が、これまでいじめをしてきたクラスと先生に対して復讐するというストーリーなのですが、復讐がエグすぎてドン引きするレベルです。全く罪のない人たちでも自分を陥れた王国に属する民ってだけで殺されるので、共感はできないし、狂気的な内容に無理な人も多そうです。

ただ、なろう小説の、主人公が転生してチートスキルを身に着けて無双してハーレム作るみたいな内容には飽き飽きしていたので個人的にはかなり刺激的で面白いと思ってしまいました。

岬に潰された町は、自分の利益のために他者を殺すような人達の町だったので、読んでて、この話クズしか出てこんやんけって思ってました。ただリアルな世の中でも、中世まで遡ると処刑がショーのように扱われていたりなど、倫理観が終わってる世界もあったと思うので、そう考えると今の世界の倫理観はまともでそんな時代に生まれてよかったなと思います。

また、この作品の狂っているところは、愛の形が歪みまくっているところですね。百合との依存の愛だったり、エルレアの憧れの愛だったり、その愛の強さが殺人のえげつない描写を通して描かれるところもエグいです。殺人描写はめちゃくちゃあるんですが、エルレアが両親を殺すところとか、帝国に逃げてきたクラスメイトを殺すところとか、エグすぎて引きました。

人間が絶望する描写も多くて、岬が彩花を失う絶望とか、エルレアが両親や妹に絶望するところとか、心を抉られるような描写が多く、尖った作品だと思います。特に、岬が自分の手で百合を殺さなくてはいけなくなるところは読んでてかなりしんどかったです。オリハルコンによる感染が後半で出てきますが、感染の不気味さも描かれていました。

序盤で割といじめの主要人物たちへの復讐が終わってしまい、あんまり関係ない王国民の虐殺みたいな感じになっていったのは個人的に残念ですね。亡命してきた6人とかいじめの主犯じゃないのに、主犯より凄惨な殺され方されてて理不尽さを感じました。

最後まで読んでみると、まさかの主要キャラ、百合、エルレア、彩花、アイヴィが生き返るという展開で驚きました。岬が死んだ時点で生き返りそうだなと思ってましたが、ここまでみんな生き返るとは思いませんでした。途中まで凄惨な描写が多かったですが、最後はハッピーエンドで読後感は良かったですね。