頭の中のふきだまり

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カメラを止めるな 感想

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金曜ロードショーでカメラを止めるなを見ましたんですけど、いやー面白かったですね。もう一回最初から見たいと思える作品でした。途中からひっくり返される作品だとはなんとなく予想してましたが、最初の違和感がもろもろ回収されていくとこは秀逸だなと感じました。こういう面白い映画がちゃんと評価されて広まっていく世の中で良かったなあとも思いましたね。以下、ネタバレ有りです。

 

 

最初の40分はなにこれカオス過ぎんだろって感じで困惑だったんですけど、最終的には笑えて、あったかい気持ちになれるいい映画でした。単純に分類するとコメディ映画っていうくくりになってしまうんでしょうけど、色んな出来事、メッセージが詰め込まれてて、見る人によって感動できなり爆笑できたり色んな側面があるなと思いましたね。

個人的には最後まで見て一番大きく心に残ったことは、作り手の一体感ですかね。組体操でラストシーンを撮るところは、現場にいる人間全員のなんとかしようって感じが好きです。カットの声がかかった後の全員のやり遂げた感がすごい良かったですね。たぶん、この劇中劇自体はグダグダすぎて、この世界の中ではかなり酷評されると思うんですけど、一つの作品を作り上げるための団結力っていいなあって思いました。映画自体のエンドロールにメイキングを持ってきているところも、色んなスタッフ全員の力で映画を作り上げてるんだってとこが一つメッセージになっていたんじゃないかなと感じましたね。

他には、家族の絆も描かれていて、ほっこりする映画であった一面もあったと思います。中盤、娘との距離感が開いていて、主人公が昔の写真を思い返すシーンがあるのですが、最後、その写真が伏線となって上から撮影する方法を思いつくところは良かったですね。写真と同じように笑っている娘を見て、やっぱり家族の絆っていいなあって思いましたし、娘の写真をお守りとして台本に忍ばせている主人公もいいなあって思いました。

また、映画への愛というか、表現に対するこだわりに溢れているという点も心に残りました。本物の表現を見せてくれよっていうのは劇中劇内でのテーマとして、何度も出てきていましたが、本編としてもこだわっていた部分かと思います。中盤の最初、子役に対して、目薬で涙を流すことを許さない娘さんが非常に印象的でしたね。また、対外的にはほどほどのクオリティでいいやっていう主人公が最後のシーンの撮り方にこだわりを見せるシーンも良かったです。監督のクリエイターとして引けない所が迫真の演技で表現されていたなあって感じました。

 

劇中劇を最初に見せて、その後伏線を追っていくという構造自体もすごい面白いのですが、単純にその構造がやりたかっただけの映画にはとどまらず、映画への愛、表現への愛、家族の絆などいろんな要素が盛り込まれていた点がすごい好きですね。こういういい映画が正当に評価されたってことが素直にうれしいです。2時間程度でこれだけのことを詰め込んで完璧に表現しきることができる素晴らしい映画だったと思います。