頭の中のふきだまり

考えたこと感じたことを綴るブログ

天気の子 感想

 

天気の子を見てきたので感想を書きます。終わってみれば面白かったとは思うのですが、好きな所と微妙な所両方あって評価に困る感じはありました。君の名はと比べるのは、作品の感想としてはあんま良くないかもですが、個人的には君の名はの方が面白かったですね。以下ネタバレ有りです。

 

微妙だったとこ

微妙というか見てて引っかかったところは、とにかくキャラが幼稚に見えたところです。身分証も見せれない状態で上京してくる考えなしな所とか、銃を拾ってしまう所とか、16歳ならしょうがないと思いますが、主人公の帆高の幼稚な部分が結構描かれてて、見ててイライラする所はありました。警察沙汰になってるのに親の影も見えないのもあんま納得できなかったですね。主人公の上京した理由がすごいふわっとしてて、なんで帰りたくないのか、子供のわがままのように感じてしまいました。光への憧れ的な雰囲気で描かれてましたけど、陽菜に会う前のどん底な生活の中で何故帰ろうと思わないのか不思議でしたね。大人の自分には共感しづらい真っ直ぐさというか猪突猛進な感じを描きたかったんだと思います。

警察から逃げてる所とか、こういう話どっかのエロゲーで読んだ気がするって思ってました。話としては、大人に追われる少年少女みたいな展開って良くあるやつですよね。

 

良かったとこ

良かったとこは、テーマがシンプルに一貫してたところですね。幼稚なんだけど純粋で真っ直ぐに、世界よりも君がいいっていう感情があって、100%その感情に任せて走るみたいな、底抜けに青くさいテーマが強くあったのは割と好みでした。作品にとってテーマのベクトルの強さみたいなのは大事だと思ってて、この作品は監督の、これが描きたいんや、社会通念とかコンプライアンスとかどうでもいいんやっていう信念みたいなのが伝わってきた気がしてて、ベクトルの強さを感じました。

世界と大切な人を天秤にかけるという点ではfateでも語られた話で、大切な人をとるルートがfateにおけるHFですよね。世界を捨ててまで大切な人をとるという決断は、論理性とか理性では選べない選択な訳で、100%感情な訳です。そんな青臭い100%の感情をがっつり描ききった所はすごい好きですし、それだけで良かったと思ってます。

 

メッセージ性

途中で出てくる神社かなんかのおじちゃんが、天気は人間が支配しようとしてはいけないみたいなことを言ってたと思いますけど、自然現象に逆らったらあかんみたいなメッセージもあったのかもしれません。もののけ姫ほどのメインテーマではなさそうですが。結局は水没したままで終わるので、人間の利益を追求するよりも、自然の摂理に逆らわないエンドになっていて、これも終わり方としてありだなって思います。

ただやっぱり終わり方というか世界がどうなるかっていうのはこの物語においてどうでも良くて、2人が2人で大丈夫であることが重要なのかなと思います。

 

ネットで拾った考察について

ネットで拾った考察の中で、須賀さんの奥さんも天気の巫女で、喘息の娘のために力を使い切って消えてしまっていて、須賀さんは陽菜を救えなかった世界線の帆高だって考察があってなるほどーと思いました。

須賀さんが指輪をしてるのは奥さんが消えた際に空から降ってきたのを形見として付けてるって説は納得できますし、代々木の廃ビルの場所を知っていたのも、天気の巫女の真相を知ってたからって言われると納得できます。

そんな一度諦めてしまった存在である須賀さんが、過去の自分と同じ立ち位置の帆高の背中を押すところは、どうしても諦めきれない大切なものへの想いみたいなものが感じられますね。

そう考えるとシンプルな構成の作品なようで、作り込まれてるって感じました。

 

見てるときは微妙な気持ちでしたが、終わった後色々考えてるといい作品だったと思えてきました。でも、前作君の名はより万人ウケする作品ではないですし、評価が分かれるのは間違いないですね。