頭の中のふきだまり

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チ。 2巻までの感想

チ。がピッコマで2巻まで読めたので読んでみたのですが、とても面白いと思ったので、記事にしてみます。

話としては天動説が信じられていて、天動説以外を唱えると殺されるような世界の中で、地動説を信じ、証明しようとする人達の話ですね。

ツダケンと作者の方のインタビューが面白くて、この題名チ。には地だったり、知だったり、血だったり、色んな意味がありますよね。

 

地動説と天動説の対立を描いていますが、1巻の主人公の、天動説より地動説の方が美しい、だから信じたいという主張が好きでした。

美しいかどうか、感動できるかどうかって人生の指針としてとても大事だと思うんですよね。私は家にはものがごちゃごちゃしててほしくないんですけど、それは美しくないからというのもあります。見た目の美しさもありますけど、美徳という言葉もあるように行動が美しくないみたいなこともありますよね。美しいって結局は主観で判断することで、好き嫌いみたいなものだから、もしかしたらごちゃごちゃしてることが美しいと感じる人もいるかもしれないですよね。自分自身の美しいと感じること、センスは大切にしたいなと感じました。

あと、理系の人ならわかると思うんですけど、数学って結構美しいところがあると思うんですよね。物理的な運動がシンプルな運動方程式で記述できることなんかは非常に美しいと思えます。理系って理屈しか考えてないって思われるかもしれないですけど、どうやったら現象を美しく記述できるか、この世界の美しさを表せるかを追求した結果が数学や物理学につながってるのかなとこの作品を見て感じましたね。

 

また、C教だと、地球、俗世は汚れていて、信仰により死後天国へ行けると教えられているのに対して、地動説はこの世は美しいものなのだと主張しているところがぐっと来ました。

地動説を信じる人はこの世界の美しさ、この世界で生きることの肯定を示していて、心うたれました。

宗教って辛いことから逃れるというか、辛いことを耐えるのには有効なツールだと思うんですよね。ほんとにその教えを信じれば、辛いことも受け入れられます。デール・カーネギーも道は開けるで、祈ることによって心が安定すると書いていたと思います。

そうなんですけど、せっかくこの世に生まれたので、辛いことがあっても、この世界を肯定して生きていきたいって思います。

 

また、2巻の主人公が、死ぬときの顔がC教信者は苦しそう、辛そうで、地動説側の人間は満足感があったということを言っていて、これも個人的には印象的でした。地動説側の人達は、地動説という概念を後世に託すこと、自分の信念を信じ抜くことができたことに対して満足感を得て死ぬことができたのだと思います。私は昔から死ぬことが怖かったのですが、死ぬときに自分の人生に満足だといえるような生き方をしたいと思いますね。それが私の人生の軸かもしれません。

 

2巻までしか読んでないのにかなり思うことがあり、名作匂がぷんぷんします。タイトルへの入り方とか構成も見事で、続きも読みたい作品ですね。