頭の中のふきだまり

考えたこと感じたことを綴るブログ

俺ガイル アンソロ4 オールスターズ 感想

f:id:sakepotech:20200608173522p:plain

俺ガイルアンソロの4冊目、オールスターズの感想を書いていきます。


・たとえぼくたちの青春ラブコメが間違っていたとしても、 石川博品

かなり異色な作品でした。俺ガイルを読んだ側の人たちの話ですね。好きだった女の子に俺ガイルの感想を送り続け、女の子が亡くなってもなお感想を女の子宛に書き続けるというだいぶ痛い感じの主人公で、読んででちょっと辛かったです。主人公が女の子の死を受け入れて、新しい出会いも得るというオチで、暗めな話ですが、一応明るく終わってます。俺ガイルの完結までの時間はかなり長くて、確かに自分が読み始めた時と今とでは感性が変わってるとこもあって、読んでて感じ方も変わってくるなあという気持ちはすごい分かる気がします。例えば、文化祭編のところなんか初めて読んだ時めっちゃ鳥肌立って、八幡かっけえーってなったんですけど、たぶん今読むとそこまで感動しないと思うんですよね。結末知ってるからっていうのもありますが。改めて俺ガイル完結までの時間の長さを感じますし、ちゃんと終わってくれて良かったなって思います。


・やはり、船頭の多い船は山に登る 王雀孫

材木座の痛々しい小説をリレーして書いていく話で、いろんな人が出てくるのでオールスターっぽい感じがしました。どんな展開からもBLに繋げられる海老名さんは流石だと思いましたね。


・案外、葉山隼人の気の迷いは長い 川岸殴魚

試合で負けたからか葉山が何か変わろうと奮闘するという話。かなりコメディとして描かれていて、葉山をおもちゃとするのは貴重な展開で、SSっぽい感じがしました。原作で完璧超人として描かれる葉山ですが、実際は全体的にある程度できる人で、何かに突出してる訳ではないのかなと思いますし、だから八幡に対して劣等感みたいなのがあったのかもしれませんね。葉山にも弱い部分があって、メンタルがおかしくなることもあるけど、試合に勝てば元の調子に戻るという単純なところもあるところが描きたかったのかなと思います。


・負けられない婚活がそこにはある 境田吉

平塚先生の婚活話。平塚先生が占い師にハマっていくのがリアルで怖いですね。かなりギャグとして描かれてますが、占い師にハマっていくのはあり得るような気がします。平塚先生のメールは怖くて面白いです。てか、平塚先生なら普通に婚活してれば上手く行くような気がするんだけど、そういうキャラ付けなのだ仕方ないですね。


・十年後の八幡へ さがら総

10年後の戸塚と材木座の話。最初主人公がめっちゃやさぐれてて、八幡かと思ったらまさかの戸塚でした。原作では明るくて太陽のような戸塚でしたが、こんな暗い人になってるという書き方をするのはかなり意外性がありました。原作では戸塚の心情が一人称で語られることはないので、八幡に憧れていたみたいな解釈もできる気がします。


・川崎沙希と比企ヶ谷八幡の、記念日にまつわる話 天津向

川崎さんと八幡がプレゼントを探す話でした。結局川崎さんは妹へのプレゼントを自作の絵本にする訳ですが、正直1日で絵本書くのは無理じゃねとは思ったので、そこはちょっとツッコミポイントでした。川崎さんの妹想いなところが描かれてたストーリーだったと思います。


・しかし、その言葉の裏には裏がある 渡航

いろはす回っぽい話だけど、ゆきのんとガハマさんが牽制しあうところも見どころでしたね。結衣sideと繋がってるようで、お菓子を持ってきて八幡の反応を伺ってる結衣がめっちゃ良かったですし、そこから、次誰がお菓子を作るかで揉めて、八幡が板挟みになるところが面白かったです。

いろはすは、小町をダシにして八幡をおびき寄せる手管が流石ですね。最後にお菓子を作ってくるいろはすですが、八幡のことを好意的に思ってるだろうけど、恋愛感情があるかは自分には分かんないです。個人的にはそこがハッキリしないからこそ、いろはすが小悪魔的なキャラになってると思ってます。

 

俺ガイルアンソロの感想でした。とりあえず、俺ガイル関連の本ははしばらくなさそうです。いつかまた続編とかSSみたいなの読みたいですね。