頭の中のふきだまり

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未来のミライ 感想

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未来のミライの感想です。金曜ロードショウで見たやつですね。金曜ロードショウ感想ブログになりつつあります。感想としては、だいぶ微妙だったなあって感じです。前作の方が面白いと感じた人は多そうです。

 

論理的必然性のなさ

思い返して真っ先に気になるのは、物語と主人公の論理的必然性のなさでしょう。

主人公がいやいや期の子供なので、やだやだ言ってるシーンが多く、見ててストレスが溜まる部分が多かったです。こんなことを言ったら子供への理解がないと怒られるかもしれませんが、お母さんの苛立ちには共感できるところがあって、物語としてストレスを感じる部分ではありました。

普通、ある程度物語やキャラクターには論理的な必然性があると思います。敵から逃げるとか、なにかを守るとか手に入れるとか、なんらかの理由があって物語のキャラクターは動くものですし、物語の展開もある程度、なんらかの理由があって進んでいきます。ただ、この作品については、どんどんシーンが変わっていき、気づいたらタイムスリップしていて、ずっとよくわからない話の展開に振り回されている気持ちになります。そこが見てて話に入り込めない点ですし、この作品はどこに着地するのかなんだかよく分からないと感じる部分が多いかったです。

 

己を貫いた点は評価できる

良かったところは、そんな論理的じゃないところもありつつ、監督のやりたいところを貫いたところですかね。

テーマとしては明確で、子供の成長ということになる訳ですが、特に、まだ自意識がない子供が自意識を得る過程を描いていたのかなと思います。

くんちゃんは、自分は何者かという問いに対して、未来ちゃんのお兄ちゃんという答えを出します。結局、人間の存在は他者に照らし合わされることで認められるってことなんだと思います。そしてそれは家族の昔の姿との交流を経て、理解できたことだったと思うし、ストーリーとしては、終わってみればまあ理解できますね。

ここまで幼い子供を主人公にするのはなかなかないことですし、チャレンジングだったと思います。そのせいでストレスフルな展開になりましたが、そのおかげで、無垢な存在である子供が、精神的な意味で最初に成長した瞬間を描写したのは、頑張ったなあって思いますし、それが細田監督のやりたかったことなんじゃないと感じました。そこを貫いたところは良かったと思います。

 

批判的な論調になってしまいましたが、ストレス感じるところの印象が強かっただけで、終わってみればまあ有りかなとも思います。前作が万人受けする面白さがあったのに対し、今作は割と人によって評価が割れそうな気がしますね。